Kの思索(付録と補遺)

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読書について〜Kの思索(付録と補遺)vol.1〜

ショーペンハウアーの読書についてを読んで感銘を受けた。この本の要点は

1.読書するな

2.自分の頭で考えろ

3.読むなら大家とされてる人のものを、そのままあたれ

というもの。

 

1.読書をするな について

読書についてを読んでいたら、読書をするなといわれたのだから、今すぐこの本を放り投げてやろうかとも思ったのだけども。しかしその理由は、あらゆる読書好きの心をグリグリえぐる、正しいものだった。

要するに読書は、他人の頭で考えることなのだから、読めば読むほど自分の思考力が衰えてしまうということだ。悪いことに、他人の主張を頭に流し込んで、その全てを自分のものにしたつもりになって、なんだか成長した気がしてしまう。頭が良くなった気がする。しかしそんなものは全てまやかしだというのだ。

 

2.自分の頭で考えろ

本当に身になる思考は、自分であれこれと悩み、懸命に考えたものだけだと著者は主張する。これに対して、本を読む行為は、他人が作ってくれた思索の道をただ通るに等しい。綺麗に舗装された道路なので通るのは容易いが、自ら道を作る(自分で考える)行為の価値には全く及ばない。

こんな言い方も出来る。グーグルマップでナビゲーションされている人間は、道を覚えられない。いつでもどこでもグーグルマップに頼る。対して、迷いながらもアレコレと道を通った人間は、その道を覚える。それだけでなく、その土地の道が体系的に繋がるだろう。そうなれば、通行止めなどのアクシデントに会おうが、最も効率的な突破口をすぐに思いつくだろう。

 

3.読むなら大家とされてる人のものを、そのままあたれ

ここまで書いてきた通り、本を読むのは基本的にオススメしていない。しかし、もし読むのだとすれば、大家を読まねばならない。大家は、時が経っても色あせることなく読み継がれ、その価値が歴史で証明されているからだ。

大家の考えを分かりやすく凡人が書き直し、ビジネス本として量産する行為が後を絶たない。そのような本を乱読し、実際の大家の本そのものは読まずにいる人が多い。これに対しても著者は「凡人は凡人の考えのレベルが心地いいからだ」と、バッサリだ。

まことの大家の本は読んでも読みすぎることはない。しかし悪書は読めば読むほど悪い。そして世に出回る本の殆どは金稼ぎ目的で書かれた悪書である、という。

 

以上のような理由から、ショーペンハウアーは読書を全否定している訳ではないことが分かる。

ただ漫然と他人の考えを自分の頭に流し込むままにしておき、それに陶酔して偉くなった気になり、本当に根を地に下ろした自分の考えが無い人間を批判している。

 

時の洗練を受けて残った古典はさすが、言うことが本質的であり、現代にも応用出来ることをいうものだなぁと思う。

この本に書かれた内容は、今ではむしろ、書かれた当時よりも響くものになっているのではないだろうか。

例えばツイッターなどのSNSは、他人の考えが洪水のように絶え間無く入ってくる場である。現代人は、正に著者が警報をならした「馬鹿になるには、5分でも時間があるのなら、その度に読書をしなさい」という状態にあるのだろう。

 

このブログを突然始めたのも、他人の考えで酔う自分を戒めるため。馬鹿にならないためにも、思考は、積極的にこちらから発信していきたい。

 

なんだかすごく真面目な内容になってしまった。真面目なのは悪癖だとアカギに良く叱られている。

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旅行記とか、映画の感想とか、ゆるい奴も書いていくつもりです。シクヨロ。