Kの思索(付録と補遺)

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コーヒーが好き。〜Kの思索(付録と補遺)vol.10〜

コーヒーが好きだ。

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 僕がコーヒーを本格的に飲み始めたのは大学生の時だ。きっかけはよく覚えていない。理系大学生だったので(3流とはいえ)、理系の本を読みながらコーヒーをたしなむという行為に乙な雰囲気を感じたのかもしれない。学者とかが黒板で数式を議論しながらコーヒーを飲んでいるイメージがある。そしてそれがなんとなくかっこよく思えたし、真似しようと思ったのかもしれない。いわゆるコスプレや、好きなアーティストのファッションを真似して悦にはいるというアレに近い。

 

 最初はインスタントコーヒーで美味しいと評判のものを調べた。その時はネスカフェゴールドブレンドが美味いとキャッチした。そしてコーヒーはブラックで飲むほうが「かっこいい」と思っていたので、甘くするつもりは更々なかった。そして僕の場合は最初から割とブラックを飲めてしまった。今では甘いコーヒーを飲むとイラっとしてしまうくらいだ。

 

 そこから次第にコーヒーへのこだわりが増していった。インスタントコーヒーをやめ、ドリップパック型のコーヒーを買うようになった。しかしドリップポットを持っていなかったので、鍋でお湯を沸かし、鍋からそのままドリップパックへお湯を投入していた。ザバッと。ドリップとは言えない注ぎ方なので、雑味が酷いコーヒーを飲んでいたものだ。

 

 そしてついにドリップポットを買い、蒸らしや「のの字」を描いて注ぐなど、少しずつちゃんとした注ぎ方を実践し始めた。味がどうこうは今でもあまり分かっていないかもしれないが、その時は少なくとも丁寧に淹れた分、コーヒーが美味しくなったように思った。藤岡弘、のコーヒーの淹れ方は流石に丁寧すぎると思うが、気持ちを込めたぶん美味しくなるを極めるとああなるのかもしれない。

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 そしてやはり、ついにともいうべきか、ドリップパックでは我慢できなくなってきた。まったく人間の欲望というものは留まることを知らない。僕はとうとう自分で豆を挽いてみたくなったのだ。アマゾンでコーヒーミルを調べて、挽いた豆が飛散して机が汚れないという評判から、このコーヒーミルを買った。当時は5000円くらいだったと思うが、今では何だかちょっと高くなっている。しかしこのコーヒーミルには大満足で、今でも現役で使いまくっている。

https://www.amazon.co.jp/ポーレックス-34570007-コーヒーミル-セラミック-ミニ/dp/B01B77O8FM/ref=sr_1_23?s=home&ie=UTF8&qid=1510230924&sr=1-23&keywords=コーヒーミル

 

 初めてコーヒーを自分で挽いたときは、何だか一つ大人の階段を昇ったように思ったものだ。なによりコーヒーを挽いていることが手に振動でダイレクトに伝わることに感動した。そして同時にフワッとコーヒーの香りが広がるのもまた乙なのであった。いい趣味をもったと思った。今でも自動ミルは使わない。自らの手で挽くという閑暇な時間を愉しむのもこの趣味の醍醐味なのだ。

 

 初心者がコーヒー豆を買おうと思うと結構難しい。意外とスーパーでは既に挽かれてある粉タイプのものしか売っていなかったりするし、豆タイプを見つけたかと思えば種類がいろいろある。モカ、マンデリン、ブルーマウンテン、ブラジルにエクストラブレンド等々、正直知ったこっちゃない。缶コーヒーでなんとなく聞き覚えがあるくらいだ。素朴に「なんかブルーマウンテン高くね?」なんて思ったりしていた。

 

 結果的にコーヒーにどハマりし、暇さえあればコーヒーを挽いて飲んでいた。多い日は一日に2リットルくらい挽いたコーヒーを飲んでいた。そんな生活がたたってか、日常の中で慢性的な吐き気を催すようになってしまった。ヨーグルトか飲み物しか口にできないというような状態である。コーヒーを抜くと禁断症状でめまいがしたり頭痛がしたりして、いわゆるカフェイン中毒であることを自覚した。

 

 それでもなおコーヒーが好きだったので、調べると「デカフェ」なるものがあることを知った。デカフェとは特殊な製法でカフェインが入っていないコーヒーのことで、これでカフェイン中毒とおさらばしつつ、コーヒーが飲み続けられると思った。

 

 だがスーパーでデカフェを見つけるのは、スーパーで挽いていない豆を見つける以上に難しかった。今ではデカフェは割と知られているが、当時は本当になかった。なので僕は直接喫茶店に行って、デカフェ豆を売っている店を見つけ、購入した。デカフェ豆は中々買う客が少ないらしく、僕がデカフェを買いに来るたび、店員が新しい袋を開けていた。それで毎回200gとかしか買わないもんだから、面倒な客だと思っていたかもしれない。

 

 そんなこんなで喫茶店で豆を購入し挽いて飲んだわけだが、これのレベルがまぁスーパーの豆とは違った。こんなに違うもんかと感動した。まぁ値段も2倍違ったけど。それ以降、贅沢にも僕は喫茶店で豆を買い続けることになった。

 

 このことが影響し、僕は喫茶店も好きになった。喫茶店で飲むコーヒーはやっぱりちゃんとしていて美味しい。それだけではなく、喫茶店は店内で僕を海外旅行に連れて行ってくれる。日本にいながらロンドンでコーヒーを飲んでいる気分にさせてくれる。茶店でコーヒー600円と聞くと、牛丼2杯食える金額だ、と思ってしまうかもしれないが、あれは場所代だと理解しよう。600円で海外旅行に行けるのだ。安いものではないか。そして僕の場合、思索もいつもの倍は捗る。

 

 しかし美味しいコーヒーを飲むだけならば、今は大手チェーンも馬鹿にできない。セブンイレブンが火蓋を切って落としたコーヒー戦争は、大手チェーンが展開するコーヒーのレベルを全体的に底上げすることになった。個人的にはローソンの高級コーヒーシリーズ(高級といっても300円程度だ)は面白いなと思う。最近飲んだ「ゲシャゲイシャ」はとてもフルーティーエスニックな味がし、こんな風味のコーヒーがあるのかと驚いた。マックやモスのハンバーガーチェーンのコーヒーもよく出来ていると思う。ミスドのコーヒーに関しては微妙な立場だ。コーヒーに合う食べ物ベスト3にドーナッツが入っている僕としては残念な思いだ(ちなみに残り2つはパスタ、ハンバーガー)。

 

 スタバに関しては、アメリカンコーヒーが好きな僕にとっては若干濃いなぁと感じてしまう。まぁダイレクトに豆の味がくるので、ガチのコーヒー好きは今なおチェーン店でコーヒーと言えばスタバが不動の王者なのかもしれない。結局スタバではフラペチーノを楽しむことのほうが多い。あれはもはやコーヒーでは全くなく、パフェに近いけれど。もう一つ言わせてもらうと、スタバはいつも混みすぎ。

 

 散々語ったけれど、今では普通にインスタントコーヒーも飲む。「ま、香りはねぇわな」とは思うけれど、「挽いた豆じゃなきゃコーヒーじゃねぇ」とかそういうポリシーは無いし、未だにモカキリマンジャロとかの種類を当てろと言われたら絶対に無理だし、バリスタにはなれないけれど、それでもコーヒーが大好きという気持ちは本物なのであった。おしまい。