Kの思索(付録と補遺)

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投資家になるためのステップアップ型読書~ Kの思索(付録と補遺)vol.55~

 「投資をしてみたい、だけどまず何から始めたらよいのか分からなくて・・・」という人のための記事を書きます。答えは今から紹介する順に本を読んで、行動してください、ということです。行動とは何か?即、口座開設をして、何らかの株を買うことです。

 

 これから色々と書きますが、究極は行動に尽きるということを予め申し上げておきますね。この記事で紹介する本を読むことで、その行動のための障壁はかなり下がると思います。そして実際に、この記事で紹介する順番どおり読んでいけば、投資に対する態度がステップアップするようになっています。

 

 投資未経験者が最初に読むなら、まずこの本がおススメです。

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 赤い方をまずは読んでください。カラフルなイラストと大量の図で解説されているので非常に分かりやすいです。口座開設の仕方を始め、PERやPBRなどの専門用語、ダブルボトムやゴールデンクロスなどのチャート形、そういった投資の基本的知識を学べます。ぶっちゃけこの本さえ読めば、だれでも投資を始められるはずです。さぁ!今すぐ口座開設をしてください。そして株を買ってみましょう。

 

 青い方の本はどちらかというとチャート形の解説が詳しくなっており、FXなど短期的に売買する投機家向けの本です。読んでおくに越したことはないですが、赤いほうの本だけ読んでればまぁ十分だと思います。というか個人的にも一般常識的にも、FXなどの短期売買で個人投資家が勝ち続けるのはまず不可能だと思いますのでおススメしません。理由は4、5冊目に紹介する本で明らかになります。

 

 3冊目に読む本としてはこちらがおススメです。

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 投資で勝つには、究極「安く買って高く売る」ことが出来ればよいわけです。ではどうすればそれが出来るかというと、まずはその会社の株式が高いのか安いのかを判断することです。ここで、1、2冊目で学んだPBRやPERの知識を踏まえて、この3冊目を読むわけです。

 

 会社の業績・財務からみた価値(ファンダメンタルズ)を知ると、その会社の株が実際に市場で割安か割高か判断がつくようになります。とはいえそのためには、ある程度決算書を読む力が必要なわけです。この本では公認会計士である著者が、会社四季報や決算書の読み方を懇切丁寧に教えてくれます。

 

 しかも、この本を読めば決算書を読む知識が得られるわけですから、自動的に「財務3表」の知識も身に付きます。財務3表とは損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(C/F)のことです・・・んが、サラリーマンをやっていて財務3表すら知らないのは恥ずかしいですよね。加えて、会社の決算書が読めればその会社の経営が健全か不健全かが分かるわけですから、転職の際の会社選びにも役立ちます。

 

 もう当然口座開設はしてることでしょうし、買う株も固まっているでしょうから、さっそくそれらの会社の決算書を読んでみましょう。どうですか?割高ですか割安ですか?割安と判断したなら、今すぐ買いましょう!さぁいつまで躊躇っている、早く行動するのだ!(笑)

 

 ということで4冊目を紹介します。

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 これは非常に重要で、古典的な書です。皆さんは「ウォーレン・バフェット」という人物を知っているでしょうか?オマハの賢人と呼ばれる「投資の神様」です。投資の世界でもっとも有名な人物です。現在は世界3位の大金持ちです。この本は、そのバフェットの師匠が書き、バフェットもこの本で投資家としての土台を学びました。

 

 この本では100年近くにわたる株式の歴史について言及し、成功した戦略、失敗する投資家の行動思考などを教えています。歴史的に見て、その会社が「買い」かどうかを判断する決算書のエッセンスがたったの7項目で紹介されています。実際、この7項目に当てはまる会社を探すと、東証1部上場の企業でもなかなか見つかりません。

 

 そして徹底的にFXなどの相場予測で儲けるといった思考を批判します。「一般的な投資家が相場予測で儲けられるなどというのは馬鹿げている」とまで言っています。重要なのは、本質的で真に優良な企業を割安で買い、長期間保有すること。そして配当による複利効果でじっくりと、しかし確実にお金を増やすこと。そしてそれを更に優良企業へ再投資することだと教えてくれます。さすが古典中の古典、おっしゃることが真っ当すぎてむしろ新しい(笑)こちらの僕の記事も参考にしてください。

 

yushak.hatenablog.com

 

yushak.hatenablog.com

 

 そして5冊目。この本を読むと、今までの知識が全てひっくり返されるような思いがするでしょう。

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 まずは前の本と同様、チャートの予測で儲けられるという思考を徹底的に批判します。最初の方で紹介したダブルボトムやゴールデンクロスなどの「典型的なチャート型」が、全く何の意味ももたないことを非常に冷徹に論破します。この論破が繰り広げられる「6章 テクニカル戦略は儲かるか」はもはやエンタメの域に達していますので是非楽しんでほしいと思います。

 

 さらに凄いのは、個別株投資すら、多数の銘柄に分散投資するなら、それがダーツでランダムに選んだものでも、長期的にはプロの運用成績に勝ちうるということを歴史的考察から証明している点です。今まで決算書とかじっくり読んで、時間をかけて優良な銘柄を選んでいたのはなんだったんだという話ですが・・・(笑)。

 

 そして、それをもっとも簡単に実現するのは、「市場平均」に投資するような行動であると述べ、例えば日経平均指数に連動するようなファンドに投資せよと教えます。つまり指数(インデックス)ファンド投資が最強だと言っている訳です。昔はこんな商品は無かったのですが、今はあります。なら利用してしかるべきなのです。こちらの僕の記事も参考にしてください。

yushak.hatenablog.com

 

 

 自らを「投資のキ〇ガイ」と称し、資産も億をこえるであろう最強サラリーマン田端信太朗氏も「市場平均を超える運用成績を残すのは容易ではない」と言っています。また先述したウォーレンバフェットも今では個人投資家は、これからはインデックスファンドで運用すべきだ」と発言しています。

 

r25.jp

www.mag2.com

 

 そして最後に6冊目。長期投資家としては避けて通れないバブルと大暴落に対する態度を学べます。これは最近読んだので、少し長めの書評形式で載せますね。

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 この本は2000年頃に書かれた本であり、当時は正にITバブルやドットコムバブルが絶頂期でした。そんな最中、市場の理性的なファンダメルタルズから大きく乖離した米国株価に警告を鳴らす本書はベストセラーとなりました。


 しかしながらこの本が語ることは、単に一時的なバブルに関する警告だけではありません。例えば、株価は常に合理的な値をとり、市場の情報は瞬時に株価に反映されるといった「効率的市場仮説」に反対しますし、「株価がいつまでも上がり続け、大きく下落してもすぐにまた元の水準に戻る」というのも神話に過ぎないと断じています。


 そもそも株価というのは多数の人間が作り出す統計的な結果です。その点、本書では、歴史的な経済学の研究結果だけでなく、かなり心理学的実験や心理的バイアスのかかる仕組みに重点を置いて解説しているのが試みとして面白いところです。


 全員が理性的であり得ない以上、株価は合理的には動かない。集団心理として、誤った情報のバイアスがかかることもある。このような時にバブルが生じ、そして集団心理が冷めた結果として、バブルが崩壊するのです。だから短期的に見ると株価は異常な値動きをすることも沢山あります。しかし長期的にはある程度の合理的な水準の上昇を見せるのです。


 だからと言って株価が、「長期的には常に何時でも、どの時間軸で切り取っても上昇し続ける」というのは誤りなのだと本書は指摘します。「失われた20年」という言葉がある日本人にはよく分かることでしょう。1980年代の不動産神話バブルによって下落した株価は今なお20000円台をウロウロしています。これからの日経平均株価が、不動産バブルかつての4万円代まであがるのか、それとも「失われた30年」になるかは分からないのです。…ただし今の日本株はファンダメルズ的には割安だと付け加えておきます。


 いずれにせよ、投資は失っても良い資産で、かつ分散的に行うという基本中の基本をまずは愚直に実践するべきです。「若い頃は大きく投資してもほぼリスクがない」とよく言われますが、あれは「いずれどっかで株価は上昇するからとにかく若い頃から持ち続けろ」という意味ではありません。「若いんだから資産を失ってもまた稼げは良い」という意味です。


 株主への配当も「企業が諸々の手続きと必要な支払いを全てし終わってから、それでもなお残った利益の分配要求権利」であるという基礎中の基礎を忘れないようにしたいですね。配当のこのような定義から言って、そもそも株とはリスクを持つことなのだと念頭に置くのが重要です。

 

 さて、ここまで読んできた読者であれば、株式投資の夢とリスクをそれなりに理解できたのではないでしょうか。最初に言った通り、あとは行動あるのみです。記事を読んで知った気になるのではなく、まずは口座開設をしてみる。1冊目を紹介した時点でそれが出来た人は本当に優秀だと思います。手を動かしてみましょう。ここまで書いておいてなんですが、究極的には金自体は幻想です。関係ないのです。本質的なことを言えば、行動する人には信用がつくのですから、お金は増えていかざるを得ません。行動が全てです。自己完結せずに、自らの行動を世界とつなげましょう!

 

 END.