Kの思索(付録と補遺)

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【忘備録】マクドナルドの人材育成【鴨頭嘉人】~ Kの思索(付録と補遺)vol.80~

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 僕はマクドナルドが好きだ。一週間で3回は行くほどだ。また下記のような記事を書く程度にはファンである。

yushak.hatenablog.com

 

 さてそれくらいマクドナルドに行くと、やはり現場がどう動いてるのかを観察するようになる。僕の行くマクドナルドは、非常に優秀さが際立つ現場である。

 

 例えば母親が躾のために、ワガママをいう子供を置き去りにどこかへ行ってしまった事があった。泣きじゃくる子供に店員がすぐ駆け寄り、一緒に母親を探しに行った。

 

 またかなり高齢だと思われる店員も、邪魔者扱いされる事なく、戦力として仕事をしている。勿論高校生くらいの若者も戦力となっている。

 

 これは勿論、店舗により差はあるだろうが、ここまで老若男女問わず、人材が現場で活きているのは、素直に凄いと感じた。マクドナルドには高度な人材育成のノウハウがあるのだろうと思っていた。

 

 そんな折、youtubeの広告動画から、マクドナルドで25年経験を積んだ鴨頭嘉人さんという方の講演動画が流れてきた。この方はかつて、青森県弘前市にあるクレームだらけの最低な状態だったマクドナルドを、2年で売り上げ伸び率、顧客満足度従業員満足度で一位にした。講演は1時間半あったが、ためになりそうな話だったので、聞きながらメモを取った。

 

 今回の記事では、皆さんにその僕のメモを紹介したいと思う。(というわけで、僕の思索ではないが、僕のメモという事で、若干の思考変換フィルターがかかっている。)実際の鴨頭嘉人さんの講演を聞きたい方は以下の動画を見て欲しい。正直なところサムネが少し胡散臭いが、内容は流石の現場経験に基づく本物だと思った。

www.youtube.com

 

 以下、忘備録としてのメモ


マクドナルドは飲食の会社というよりも、もはや人材育成の会社である。その人材育成のノウハウは、アメリカの軍事会社から買っている。

 

・職場で感じる問題の統計調査。一位は圧倒的に人間関係コミュニケーション。それ以下で挙げられている「仕事量」や、「仕事のミス」などの問題も、結局は人間関係コミュニケーションの悪さに本質的に依存している。だからこそ、ここを解決しなければならない。その大きな壁は世代毎の価値観ギャップである。管理者は、若い人がなぜ辞めるか、価値観の違いから理解する必要がある。


・重要な価値観のギャップ 年代順

 70以上 メシの価値 戦争、食うも困る時代

 70~30 金の価値 高度経済成長

 30~ 存在と承認の価値 何のために生き、自分は社会に何を貢献出来るかを考える世代。金で釣れない世代。必然的に、そして絶対的に、褒めることが必要な世代。


・上司として部下の意見を聞く態度は、大げさに全身で聞く。最も良いのはメモを取ること。


職場で本音を言うか言わないかは、本人の性格でなく、環境に起因する。「否定されそう」な環境であれば人は本音を言わなくなる。「あいつ本音言わねんだよなぁ」と上司から思われている彼も、結局カフェで友人の前ではめちゃくちゃ本音で話している。否定されないと分かってるからである。


答えを持って相談を聞かない。答えを持って聞く人ほど、優秀な人だったり、経験が多い人だったりするので、気をつける事。解決策が思い浮かんでも、本音が出るまで、他に真の原因があるかもしれないと疑って、じっと待て。仕事でなく、プライベートの生き方自体に悩みの本質的な原因を抱えていることも多い。


普通の人は自分の考えや悩み事を明確に言語化出来ない。だからこそ、言葉だけを聞くのではなく、言葉の大元を聞く意識がなければならない。コツは相手の表情筋を見ること。嘘発見器の原理と同様である。


・とはいえ社員の本音や気持ちを読み取るには洞察力が必要。しかし緊張してる時に見抜くのは難しい。最も分かりやすいのは仕事を終えて帰る時。例えばキヤノンの管理職は「帰る時の社員の背中をみよ」という心構えを持っているそう。


・本音を洞察するトレーニングその2。相手の考えている思考の吹き出しセリフを想像して入れよ。「こんな気持ちだろうな」とふわっと考えるだけではダメ。セリフで考えなければ分かってこない。もしそれが部下の不満であれば、それに対するフォローアップアプローチをこまめにかける。その洞察が結果として当たってなくても良い。とにかくトレーニングをしなければいつまでも分かってこない。


・自分が能力を上げたければ、自分の欲しい能力を持ってる人をロックオンして、その人の全部を吸収するつもりで学べ。全部である。一部ではなく、全部でなければならない。その人を構成するのは、一部ではなく、全部であるから。その人になりきるつもりで学べ。真似から始めよ。守、そこからの破離である。


承認力がある上司の職場は人が辞めない。承認力のスキルレベルは5段階(下に行くほど高度ではあるが、状況に関係なくいつでも出来るものとなる)

1.結果承認

2.プロセス承認

3.行動承認

→結果を出してないのに承認する。故に簡単には「褒める」ことができない承認。「いつも最初に会社来るのは君だよね」など。

4.意識承認

→行動もないのに承認する。例えば掃除前、モップの置き忘れを見た時に「掃除しようとしてたのかい」と伝える。

5.存在承認

 

・男は単純なので結果承認でもまぁ良いが、女性は最低でもプロセス承認まで深める意識。特に夫婦関係で、夫が妻に結果承認しかしないのは最悪。存在承認まで行くことが夫婦円満の奥義である。

 

 また別の動画であるが、ここに語られている内容はさらに具体的なエピソード紹介となっている。

www.youtube.com

 管理職の仕事の奥義は「いいね!→それやって!→ありがとう!」の高速繰り返しである。これだけ、たったの3ステップが、いかに難しく、絶大な効果があることか。それを実際の体験談から語るものとなっている。

 

 以上。番外的な記事ではあったが、若者が辞めやすく、テクノロジーの進化もあって流動性の高い時代に、特にマネージャー職の方にとっては厳しいが本質的な知見であると思う。離職率の高さに悩む職場は、この記事の内容と反対のことが日常的に行われているのではなかろうか。流石にもう改革の時だ。令和世代を活用し、この停滞感と閉塞感を打破するためにも。

 

 END.