Kの思索(付録と補遺)

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議論はしないほうが得! 議論の不毛さについて〜Kの思索(付録と補遺)vol.9〜

 歳を重ねるにつれ、議論の不毛さを感じるようになってきた。

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 僕は議論そのものは嫌いじゃない。ただし、それは相手が議論することに耐えうる精神力を持っている場合だけだ。その精神力を持っていない場合、そもそも議論は成立し得ない。

 

 そして、世の中の多くの人はその精神力を持ってはいない。それどころか、ちょっと反論するとあたかも自分の人格を否定されたように受け取って、不機嫌になる人が世の中の大多数なのだと知った。

 

 そして議論は基本的には避けるようにしなければならないと悟った。特に仕事においてはそうだ。純粋に学問を追求する場でなら、議論は有効だろう。しかし仕事においては、学問と違って「よりよいと信じていること」を訴えている時間も金が発生している。その金と時間が勿体無い。どうせ仕事は進まない。

 

 何故なら、その訴えが報われることはまずないからだ。というのは、仕事においては個々人が信じる「よりよいこと」があり、本当にその選択が正しかったかどうかは後から分かるからだ。

 

 例えば「期間を削減して完成度は下げる」のと、その反対に「期間は削減せずにじっくりと良いものをつくる。」という意見が対立したとしよう。


 前者は目先の利益を確保できるだろうが、長期的にはどうだろう。後者は目先の利益はないが、長期的には生き残るかもしれない。


 しかしまて、昨今の時代の変化スピードから考えて、じっくりとやっていたら遅いかもしれない。やはり質を犠牲にしてさっさと売り出してしまおう。・・・・

 

 とまぁこういう具合に議論するわけだが、結局のところ、どちらの選択が正しいかなんて後にならないと分からない。


「いやいや、そうではなく、どちらがより『正しそうか』をつき詰めていくのが議論だろう」

 

という意見もあるかもしれない。

 

 しかしその場合でも、特に上の立場で責任ある層になればなるほど、確固たる自分の「正しそう」を持っている。それを覆すのは容易ではない。


 加えて、優秀な上司ほど、部下からアドバイスは求めない。ただ自分が必要な情報だと思うことを部下に質問するだけだ。そして優秀な上司ほど、決断は自分でする。


 無能な上司は会議でフワッと方向性を出してまた次回の会議でもっと詰めていこうなど悠長なことをするが、それは上司に必要な情報判断力と決断力、責任感、リーダーシップ等々が欠けている証拠に他ならない。「君主」は全て自分で考えて、自分の決断に全責任を負うものだ。


 ちなみに会議の場で新しい何らかの議題や解決すべき課題が生まれ、その場で議論をした結果、意思決定が行われるということはほぼない。

 

 会議は、あらかじめ議題と、その議題に対して上司に決断してほしいゴールを提案し、それをなぞる場でしかない。つまりこの場合、人が集まる必要がないことが明らかだ。よって会議は必要ない。むしろ人がいると外部から余計なちゃちゃが入ったりして決まるものも決まらなくなる。意思決定は君主である上長がすれば良いのであり、それが組織というものだ。部外者は多ければ多いほど邪魔なだけだ。

 

 まして「どうしましょうかねこれ」という用意で開かれた会議は不毛な議論が白熱して火の車になり、宿題事項が増えて次回に持ち越されるのが常である。よって会議は緊急時以外はいらない。


 というわけで、部下の立場で上司と議論なんてしてる暇があったら、相手の質問を待ち、もし質問がないようであれば、こちらから「貴方が必要としている情報は何ですか」と質問してやれば良い。そして判断の全責任を上司に押し付ければ良い。

 

 こちらが上司である場合は先に述べた通りである。高い金を貰っているのだから、責任は重くて当然である。その責任に耐えられないのなら、さっさと降格して貰えば良い。


 それにも関わらず、議論を続けるのであれば、その結果は明らかだ。お互いが自分の意見をより正しいと信じることになるだろう。よくありがちなのが「自分の意見は絶対に間違ってないけど、そこまでいうなら別に好きにしたら」といって、一方が議論を降りるというパターンだ。

 

 降りた方は、とはいっても仕事なので、意見を貫き通した方にイヤイヤ協力するだろう。しかし、協力のパワーは半減どころではない。そして全責任は意見を貫き通した方が背負う。だって「好きにしたら」とやり方を投げつけられたのだから。

 

 まったく、ろくな協力も得られないので、その仕事は失敗するだろう(まぁ能力次第だろうが、不利なものは不利であり、損以外の何物でもない)。論破した方が損をすることになるのだ。


 よって仕事においては基本的に議論を避けなければならない。自分が部下の立場であれば、議論になりそうになったら上記した方法をとれば良い。


 もしくは「適当にちゃかす」という方法もある。例えば


「君が報告した例の〇〇の案件、ちょっと違くないか?」

 

と言われたとする。この場合、相手(上司)は経験から「違う」とほぼ確信している。ここで

 

「違う?・・・ああこれはこれこれなので~・・・多分違わないと思いますけど・・・」

 

などど中途半端な反論をしようものなら議論に発展し、炎上してしまうだろう。そうではなく

 

「めっちゃ違うと思います!で、どこが違うんでしたっけ?」

 

等のように、一度相手の肩の力が抜けるように返してやるのだ。


 しかしもちろんこの後も会話は続く。よってこの方法は頭の回転とTPOを弁える能力、馬鹿を演じる狡猾さ…つまりスマートさが求められるので、ハードルは高い(しかし周りで社交性が高いと言われている人をよくよく観察してもらえるとわかるように、大抵みなこのスキルを身に着けている)。


 対して自分が上司であれば、既に上で述べたように、判断は自分で下し質問するのみに努めるだけだ。

 

 今回は議論の不毛さについて書いたが、この記事に色々反論したい人もいるだろう。しかしもちろん僕はこれ以上、何も話すことはない。