Kの思索(付録と補遺)

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2023年の我々の現在地と映画ベスト

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毎年この時期に更新する映画ベストブログ。

 

そしてこれも毎年の繰り返しになるが、2023年に「見た」映画の中でのベストであり、「2023年公開の映画からのベストではない」ことに注意してほしい。

 

とはいえ、今年は数える程度にしか観ていないため、映画中心の紹介とはせず、「2023年の我々の現在地」といったところを軸にして、トップ3本だけ紹介するに留めたいと思う。

 

2023年10月7日、パレスチナガザ地区を支配するハマスが、イスラエル領内に数千発のロケット弾を撃ち込み、イスラエル南部各地に戦闘員を侵入させて民間人多数を殺傷した。ここにパレスチナイスラエル戦争が新たに勃発したことは記憶に新しい。

 

そこから少しさかのぼり、ロシアがウクライナに侵攻したのは、2022年2月24日である。その戦争は2023年もついに終わることがなかった。

 

現在ロシアがある地域にはソ連があったが、ソ連崩壊を受け、ロシアとウクライナは国を分けることになった。

 

ソ連崩壊にともなって公開された機密文書によると、1950年6月25日、北朝鮮金日成は、ソ連スターリンおよび中国の毛沢東に対し、同意および支援を取り付けたうえで、事実上の国境線である38度線を越え、韓国に侵略戦争を仕掛けた。朝鮮戦争である。

 

ロシア・ウクライナ戦争に対して「ロシア側につく国」というのは、おおむね上記のまま(中国・北朝鮮)であるというのは、歴史の自然と言って良い。

 

戦争というのは、地理支配という点に対する、実行的または政略的なアプローチを主として為される。

要するに、武力と頭脳を駆使した騙し合い、化かしあいのオセロのようなものであり、挟撃された土地は白が黒に変わることになる。

 

簡単にいえば、領土が取られる。後述するが、ロシア(プーチン)を激怒させたウクライナの行動のきっかけも、似たようなものである。

 

ここで韓国に目を向けたい。韓国は、上記歴史の経緯からいって北朝鮮のオセロ色になることはあり得ず、日本(およびその巨大なバックであるアメリカ)についた。2023年7月15日には、韓国の尹大統領がウクライナの首都キーウを電撃訪問してゼレンスキー大統領と会談し、軍需物資や人道面の支援拡大、要するにウクライナ支援を表明した。

 

一方で2023年10月18日の北京においては、プーチンが中国の習近平国家主席に対し、経済・エネルギーでの連携強化をテーマとした会談を行った。これらのことは、先の冷戦と通じる歴史の結果に過ぎない。

 

1947年の米ソ冷戦は抽象度をあげれば資本主義国と共産主義国との「文明の衝突」である。

 

上記した内容からわかるとおり、2023年を通して、ロシア・ウクライナ戦争はすでに代理戦争的な側面を持ち始めており、実際にはほとんど世界冷戦である。現在の世界冷戦の二大巨頭としては中国vsアメリカである。

 

つまるところ共産主義と資本主義という、文明の衝突という構造は変わっていない。

 

1949年に「共産党」の毛沢東が、「国民党」の蒋介石をトップとした当時の中華民国(現在の台湾含む)を滅ぼす形で、中華人民共和国を創立した。

 

敗走する形となった蒋介石は台湾に逃げ込み、民主主義を訴え続けた。ここでアメリカは、蒋介石のその時から、台湾が共産党に支配されないように支援してきた。

 

一方で中国は、台湾を統一するという姿勢において一貫して変わりがない。先ほどのオセロの側面から言っても、台湾を中国軍が支配できれば、簡単に太平洋に出られるようになり、アメリカ側の脅威となることは容易に想像できるからだ。

 

この構造も、ロシアとウクライナの関係に非常に似ている。

 

ウクライナは「NATO」、すなわち、もともと東西冷戦時代にソ連に対抗するためにアメリカなどがつくった軍事同盟に加盟しようとした。

 

NATOはもともと「共産」主義圏だった国々に「民主主義」を拡大する、いわば政治的な役割も担うようになっていた。

 

一方でロシアはその歴史的にいっても、いつも西から攻め込まれている(もしくは寒さからくる不都合払拭の侵略のために自ら南下する)ために、東欧諸国と呼ばれる地帯については、「軍事上の緩衝地帯」として認識しており、NATOの東方拡大ですら脅威であり、そこへのウクライナNATO加盟の動きは、プーチンにとってそのまま軍事的挑発そのものだったのである。

 

このような事情から見ると、台湾にせよウクライナにせよ、ある国が分裂したとき、元の国から文明思想的に離れようとする国は、元の国の文明思想をもつ勢力国から侵略を受けるのであろう。

 

そして我々日本人は、このような世界冷戦の中で、ウクライナ側におり、台湾側にいる。なぜなら、アメリカ側にいるからである。

 

もっとも、アメリカはもしもの時(例えば台湾有事が起きた場合)、日本がアメリカに本当に協力するかということについて、政治・経済の両面から常に圧力をかけ続けてきている。

 

これは第二次世界大戦後から続く「パクスアメリカーナ」(超大国アメリカ合衆国の覇権が形成する「平和」)として知られるものが具現化している事態の一つであろう。

 

もし日本がパクスアメリカーナに協力しなければ、アメリカは日米安全保障条約を破棄すると言ってきている。アメリカの後ろ盾がなくなったとき、日本は先ほどのオセロの例えにおいて、どのような勢力に囲まれることになるかを考えてみる必要があるだろう。

 

むろん、戦うとは言えど、日本はもはやとても中国には勝てない。先の大戦における神風特攻の二の舞になるのは必至だ。だから戦争は避けなければならない。しかし、戦争を避けると明言すれば、アメリカは日米安全保障条約を破棄する。…では日本はどうしなければならないのか?


2023年度の映画ベストを以下に発表しよう。我々の現在の立ち位置を振り返り、「戦争というものは、絶対に避けなければならず、またその為に何をすべきかを、常日頃から考えておかなければならない」性質なのだということを、教訓として痛感するための3本である。


三位 ダンケルク


二位 ゴジラ-1.0


一位 西部戦線異状なし

 

 

 

 

 

 

Lyric by amazarashi - クリスマス

 

罪深い十二月の朝に
白い雪の粒が舞い落ちて
それに優しさが埋もれたなら
こんなに眩しいわけはないよ


どこか遠くミサイルが飛んで
流星と見間違えた少女
願いを三つ唱える前に
目を覚ましたら
パパのプレゼント

 

さあ祈ろうぜ世界の為に
救いようない僕らの為に
見てみろよ酷い世界だろ
 
今日は美しいクリスマス