友達の料理に値段をつけたら!?~ Kの思索(付録と補遺)vol.49~
先日、バーベキューをやる予定が天候不良のため中止となり、なんか普通に外食に変えるのもつまらんなぁと思って思いついたのがタイトルの企画。
調理師の友達Yに料理を作ってもらって、その料理に値段をつけてみたら「マーケット感覚」が身につくし、もしかしたら「自分のお店を持ってみよう」と思ってくれるかもしれない。
そして願わくば僕がもう少し歳を重ねてくたびれ始めた時に「なんだよ、今日もガラガラじゃねぇか笑」つって行きつけにする店にしたい!(妄想)
ただ、自分の料理を値付けされるってのは結構緊張するだろうし、抵抗感があると思って以下の条件で交渉。
①調理師Yは、自分の料理を僕、友人S、友人Nに値付けされるが、その金額を貰うことが出来る!
②調理師Yは、材料費負担無し!
③値付けは、最低一人200円を保証!
正直なとこ、調理師Yには全くデメリットがないので、快く承諾してくれました。
ただ、普通に得意料理を作ってもらってもアレなんで、作る料理の「テーマ」を僕らが指定することにしました。ビストロスマップ的な。
ということで指定されたテーマはこんな感じに。
各々自由なテーマが出そろいました(笑)ここに調理師Yのオリジナルメインディッシュを加えた計4品のコース料理に値付けをしていきます。はてさて、きちんとテーマに沿った料理が出てくるのか…期待が膨らむところ。
1品目:女子が喜びそうな前菜
僕「このリクエストでどう料理してくるかね。」
友人S「キツイなー」
友人N「想像がつかない。どんなのが出てくるんだ。」
調理師Y「こんな感じになりましたけど、どうでしょう」
僕「お、きた!」
僕「めっちゃ女子喜びそうやんけ!一個倒れてる感じがおしゃれ」
友人N「なんか本気で作ってきたな」
友人S「ちょっとタイトル考えようぜ」
この友人Sの提案により、調理師Yには料理のタイトルを予め決めてもらって、僕らがそれを予想することに。
せーので予想料理タイトルをラインに送ります。結果は…
友人S「ちょっと待て一人」
友人N「倒れた兵士の弔いってなんだよ」
僕「倒れてるやん、一個」
友人S「当てる気ない人がいるな既に」
調理師Y「この料理のタイトルは…『生ハムの生春巻き』です!」
僕「なんでみんな生で韻踏んでんだよ腹立つ」
友人S「とはいえ倒れた兵士の弔いも絶対ないけどな」
僕「それじゃ、みんな値段をつけてください。良いですか。いきますよ…せーの!」
友人N「おー」
友人S「まぁこれくらいだよね」
僕「相場観って大体揃うなー」
2品目:食感を楽しむ肉丼
友人S「これはもう、どこで食感を出してくるかだね」
僕「付け合わせの野菜とか?」
友人N「それだと何か違うよね」
調理師Y「出来ましたー」
友人S「おっ!」
僕「なるほどなー。豚バラでミルフィーユカツにしてきた」
友人S「なるほどね」
友人N「これは…ちょっとめっちゃ美味いな…」
僕「お、高評価っぽい人が現れたよ!」
友人S「値段も期待できそう」
僕「んじゃまずタイトル発表行きますか。せーの!」
友人S「だからひとり」
友人N「丼プレートって」
僕「丼とワンプレートをかけてみました」
友人N「当てる気ないな…」
僕「みんなもっと遊び心が必要だと思う。はい、じゃあY、タイトル発表して」
僕「ソースに焦点当てる意味わかんねぇ」
友人S「まぁミルフィーユは何となく入れてきそうだったな」
友人N「オシャレだなぁ…豚バラでいいでしょ」
僕「はい、じゃあちょっと期待のかかる値付けに行きますよ。準備は良いですか。せーの!」
僕「おお!900円台でましたね」
友人N「え、ちょっとみんな安すぎない?」
友人S「いや、でもこれぐらいっしょ」
友人N「でもなぁ、東京の方で食うとかつ丼これぐらいするんだよなぁ」
※友人Nはちょっと前まで東京暮らし
僕「なるほど、都会と田舎でも相場観違うからねぇ」
3品目:調理師Yオリジナルメインディッシュ
友人S「いよいよメインディッシュ」
僕「これはテーマ指定してないからね。まじで何がくるか分からん」
調理師Y「はい出来ました」
友人N「!? なにこれ!」
僕「これは予想してなかったわー」
友人S「ていうかまずなんなのこれは」
友人N「絶対食ったことない味する」
調理師Y「イタリアでは有名な郷土料理なんだけどね」
僕「それタイトル付けに影響でるネタバレだから!」
友人N「この魚はなに?」
調理師Y「メバルです」
友人S「つってもなぁ、イタリアの郷土料理で海鮮系って、俺が名前浮かんでるのはアレしかないんだけど」
僕「お前の名前浮かんでるそれはスープ赤いやつ※だろ」
友人S「赤いやつ笑」
友人N「多分俺もそれだわ笑」
※恐らくブイヤベースのこと。フランス料理。
僕「多分それではないってことで、タイトル予想行ってみましょう!せーの!」
友人S「みんなそれっぽさを出すために必死」
僕「赤いやつ駄目ならもうボンゴレしか思いつかなかった」
友人N「イタリアってつける見苦しさね」
調理師Y「タイトルは『旬な鮮魚のアクアパッツァ』です!」
友人N「あーアクアパッツァね、聞いたことはあるけど」
僕「もこみちが作りそう」
友人S「そういや食劇のソーマでやってた〜」
僕「はい、じゃあ値段行きましょう」
友人S「ん、これって何人前なの?」
調理師Y「これで二人前だね」
友人S「じゃあこれの倍で四人前か。その値段を想定して、四で割った値段を発表すりゃいいのね?」
僕「そうなります」
友人N「あぁ…そうなるとこれくらいかなぁ」
僕「それでは金額発表に移ります。せーの!」
友人S「ふっ笑」
友人N「めっちゃ揃うなー」
僕「もうちょい高くするかも迷ったけど、揃うってことはこれが相場なんだろうね」
4品目:和風のデザート
僕「いよいよ最後ですね」
友人N「和風がポイント」
友人S「まぁこれまでのテーマに比べたら簡単な方じゃない?」
調理師Y「和風のデザートでーす」
友人N「お!」
僕「めっちゃ和風やんけ!」
友人S「いただきます…ん?…このゼリーみたいなの、もっとプルプルしてるかと思ったけど」
友人N「以外と硬いな」
僕「ゼリーってかほぼ寒天だな」
調理師Y「正直言ってミスりました」
友人N「ミスなのかよ」
友人S「もっときなこのせよ」
僕「とりあえずタイトルに行きましょう!せーの!」
友人S「〜小豆も〜ってサブタイむかつくぅ」
僕「きなこ好きなだけ乗せたのはお前が勝手にやったんだろ」
友人N「めっちゃ寒天推すな」
友人S「で、タイトルは?」
調理師Y「黒糖のゼリー」
僕「いや寒天だろ!」
友人N「黒糖感も微妙なとこ」
僕「納得いかないけど、値付けタイムに行きましょう。せーの!」
友人S「やっぱだいたい揃う〜」
僕「ちなみに今回、材料費全部でいくらかかったの?」
調理師Y「7000円くらい」
友人S「稼いだ金額は?」
僕「えーっと、6000円くらいか」
友人N「ふつうに赤字やん」
友人S「今回は調理師Yに材料費負担ないから丸儲けだけど」
僕「こう考えるとシビアな世界だなーやっぱり」
調理師Y「精進します」
ということで、外食産業の厳しさが実践を通して学べた企画でした。ここに場所代だったり光熱費が加わるから、実際はもっと大変そう。やはり大量仕入れで大量に作って、無駄な作業を省いたり、機械化するのが肝要になってくるのでしょう。
こういうことを身をもって知る経験は超重要です。作る方も食べる方もマーケット感覚が身に付けられる企画、とても楽しかったですね。今度はカクテルとかでやりたいな。
END.